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INTERVIEW

アルムナイインタビュー
~PEファンド編②〜
「コンサルティングとPEファンド」の共通点。
元DIビジネスプロデューサーが活躍できるワケとは

DI卒業生たち(アルムナイ)は、様々な業界の第一線でビジネスプロデューサーとして活躍しています。会社や手法は異なれど「社会を変える 事業を創る。」という思いは共通しており、そんなアルムナイネットワークをDIは非常に大切にしています。

今回の対談ではPE(プライベートエクイティ)ファンドで活躍するDIアルムナイ2名に、DIでの経験が現在のキャリアにどのように活かされているのか、卒業生から見たDIの魅力などについて聞きました。(聞き手:DI アソシエイトマネジャー 吉原馨/ビジネスプロデューサー 佐々木克仁)

「コンサルティングとPEファンド」違いと共通点

ーーいわゆるコンサルティングと、PEファンドにおける事業支援の違いは何でしょうか?

佐々木:

一番大きな違いは結果へのコミット度合いでしょうか。これはどちらが良い悪いではなく、求められる意義・見ている時間軸の違いです。

例えばDIの場合は新規事業の戦略立案が主なので、担当者としては日々新しい事業に触れる知的面白さがありますし、クライアントに対しても先方の社内では得られない新しい視点・構想が求められます。こうした構想が実現し、既存事業と遜色ない成果を出せるようになるのは10年以上先というケースも多いですし、未来から逆算した投資として仕事を受けることが多いです。

一方でPEファンドは投資に対するリターンを限られた期間で出す必要があり、その期間内で目に見える成果として企業価値を向上させなくてはいけない。そのためにはミッション・ビジョン・バリューや中長期の経営計画の策定に限らず、組織体制の整備や営業強化、コストの見直しなど、より幅広い関係者と密にやり取りする動きも求められることが多いです。

西山:

ファンドのクライアントは本質的には投資先ではなく、ファンドに出資してくださっている投資家の方々です。

彼らが求めるものはシンプルにリターンですから、リターンが得られなければファンドは存続できません。ゆえに、より成果にシビアさが求められるのだと思います。

ーー逆に共通点があるとしたら、どのような部分でしょうか?

佐々木:

客観的であることに価値があることでしょうか。社内の視点や方法論だけでは突破できない課題を、外部の視点を持ち込みながら解決していく点は共通しています。

西山:

高いプロフェッショナル性を持って「グリット=やり抜く力」が求められるのはどちらも共通していると思います。これはDIで働いたことが今も非常に活きていますね

DIビジネスプロデューサーが活躍するワケ

ーーDIに入ったことで、PEファンドの仕事に役立ったことはありますか?

西山:

経営者として人を動かすには、メッセージをわかりやすくシンプルに伝えることが非常に大切です。

DIのスライドって、これ以上ないくらいシンプルですよね?論理構成はもちろんのこと、とにかくメッセージがわかりやすいことが求められる。

あとは些細に聞こえるかもしれませんが、有識者などにインタビューした際や会議時の内容をテキスト形式でまとめる「議事メモ」も同様です。

DIでは通称”DIフォーマット”と呼ばれていますが、単なる発言の記録ではなく、アジェンダ、結論、要旨、誰が次に何をやるかという内容を簡潔にまとめることが求められます。さらに事実のみならず、人に響く「メッセージ」を作ることができれば一人前。

この議事メモ作成力は、PEファンドの業務でも本当に役に立ちましたね。

特に中小企業だと会議にそもそもアジェンダが無かったり、議事録もフォーマットがバラバラで、ただの発言の記録に終始してしまったりします。

私が出資先に入ったときは、最初はとにかくすべての会議体の議事メモを私自身が書くようにしていました。そして次に全メンバーに同じフォーマットでメモを書くように徹底すると、会社の生産性が飛躍的に上がるんです。

佐々木:

たしかに、私は新卒でDIに入社したので在籍時はあまり感じませんでしたが、いざ外に出て見るとDIのメッセージ力は圧倒的だなと感じます。

「サマリー」といいながら、DI的に言うと全然サマライズされてないメッセージを書くコンサルタントも多いですからね。

西山:

あとはDIってメッセージが「面白ドリブン」じゃないですか?

もちろん前提としてはファクトに基づいている、ロジックとして正しい、という確認はありつつも、DIの社内ミーティングで「そのメッセージは面白くない、面白い」というフィードバックがいつも飛び交っている。

DIで働いていた当時は「別に面白くなくても合っていればいいじゃん」と少し思っていた時もあったのですが、実際に経営者として人を動かす立場になってみると、メッセージは面白いほうがいいに決まってるんです。フレーズはキャッチーなほうがいいし、淡々とした状況分析で人は動きません。

いまになってDIが拘っている部分の重要性を感じていますし、現状の仕事にダイレクトに役立っている部分かなと思います。

佐々木:

たしかに、DIメンバーって単にロジカルなだけでなく、「何か自分らしい一味を加えてやろう」といつも思ってますよね(笑)。

それはDIが新規事業、10年先20年先の未来を常に構想しているからかもしれません。

未来は誰にも完璧には予想できません。

様々な選択肢やリスクがある中で、それでもやってみたいとクライアントに思わせるためには「ワクワク感」は欠かせないし、乾いたロジックを淡々と伝えるだけでは人は動かない。

「人をその気にさせる力」が総じて高いのはDI出身者の共通項かもしれません。

ーー人をワクワクさせる、その気にさせる「メッセージ力」のほかに、役立っているスキルセットのようなものはありますか?

西山:

DIって常に新しいことを学び、新しい事業を構想する「思考力のタフネス」が鍛えられますよね。

経営をしていると毎日新しいトラブルの連続です。そういった新しい事象に出くわしても動じない、対処できる力。これはDIで身についた力のように思います。

ーー前回のアルムナイインタビュー(メガベンチャー編)の方が「DIで働くと、未知が怖くなくなった」と言っていたのと同じですね。

西山:

まさに、その感覚です。

DIは全く違う業種、違うビジネスモデルとどんどん向き合っていかなくてはいけませんから、未知の連続ですよね。ルーティンがほとんど無い仕事というのは、なかなか他に無いのかなと思います。

あと挙げるとすると「視座を上げ下げする力」も非常に役立っています

経営には高い視座が求められますが、それだけではいけません。時には現場まで降りて行って、ミクロの部分まで見ていく必要もあります。このマクロとミクロを行き来する能力、視点の引き出し量、上げ下げスピードは、DIで身に付きました。

佐々木:

たしかに視座の上げ下げはPEファンドの業務でも役に立っていますね。

実際に相対してみると、特にニッチトップと言われるような中堅企業の経営者は業界横断的な視座で次の打ち手を構想しているケースが非常に多い。

例えば投資を提案する際に他ファンドと競合した場合でも、単なる価格の勝負だけではなく「業界視座」での提案が決め手になったりします。

西山:

特に事業承継をしたいオーナー経営者は、次世代に、より良い形で自分の会社が引き継がれて欲しいですからね。

株式価値以外にも、会社が業界や社会にどういう影響を与えられるか。そういった高い視座を持てることは強みになると思います。

DIの環境はどんな人もワクワクさせてくれる

ーー最後に読者の方、特にDIへの就職を検討中のみなさんにメッセージをお願いします。どんな人にとって、DIはフィットすると思われますか?

西山:

情熱的な人。やりたいことが明確な人。

DIは自由度が高い会社で、様々なプロジェクトがあり、様々な仲間がいます。自分次第でいかようにもできる会社だと思うので、情熱を持って自分からガンガンやりたい人にとっては理想的な会社だと思います。

佐々木:

私はある意味真逆で、まだやりたいことがない人もワクワクできる、楽しい会社だと思います。

なぜなら入社したら、志高く、やりたいことに情熱を持って向き合っている人とたくさん出会えるから。純粋に「日本を良くしたい」という視座で仕事をしている人がたくさんいるんです。

パートナークラスの方も、みなさん各自が描く日本の未来を「妄想」しながら自走しているイメージ。そういう人たちと仕事ができるのは純粋に楽しいです。

西山:

たしかに周りにどういう人を置くか、は人生において最も重要な部分です。

DIの人って常に新しい「妄想」をし続けているからか、みなさん年齢より若く見えますよね。自分がやっていることを、すごくキラキラした目をしながら話す人が多い

これってすごいことだし、私はそういう人に憧れています。

DIはとにかく様々な面白い人がいるので、どんな人にとっても面白い出会いが待っていると思います。