戦略コンサルティング
Client: 大手メーカー
コーポレートR&Dのポートフォリオ最適化支援
背景
ある大手メーカー(売上:数兆円、研究開発費:数千億円)は、コーポレートの研究開発の取組みを強化するにあたり、100以上あるR&Dテーマのポートフォリオの在り方について、以下の課題を認識
- “そもそもコーポレートR&Dと事業部R&Dの役割分担が不明確”
- “様々なテーマがあるなかで、適切に資源配分を出来ているのか悩ましい”
- “コーポレートR&Dなのに、事業部でやるべきテーマが多い気がする”
- “一方で、本来注力すべきテーマに、リソースを割けていない気がする”
- “適切な資源配分のあり方に加えて、その決め方(プロセス)も確立したい”
支援内容
DIは、「全社戦略を踏まえたR&Dの資源配分」と「既存R&Dテーマの棚卸し」の2つの観点から、5ヶ月のプロジェクトを推進
1) 「全社戦略を踏まえたR&Dの資源配分の大枠検討」&そのプロセスの型化
コーポレートR&Dの目的を踏まえて、R&Dテーマの性質毎に3つの区分に分類
①基盤研究:複数の既存事業に横断的に貢献しうる技術
②応用研究:特定の既存事業に貢献しうる技術
③新規研究:新事業につながりうる技術
多角化企業の過去のR&D予算配分(上記3区分の配分)と事業ポートフォリオの状況(既存事業の成長見込みなど)をベンチマークした上で、クライアントの全社戦略を踏まえ、3区分の最適な資源配分を検討
2) 「既存R&Dテーマの棚卸し」&そのプロセスの型化
クライアントの研究開発テーマ(100以上)について、(以下を含む)複数の観点で棚卸し
- テーマの区分(上記①~③)
- 研究のステージ(実用化までの距離感・時間軸)
- 投入リソース
- 技術分野
- 想定事業規模
- 技術の競争力 他
上記①~③の区分別に異なる評価軸を用いて、該当するR&Dテーマの優先順位を客観的に可視化
3) 上記を踏まえ、クライアントにとってのR&Dポートフォリオのあるべき姿を検討
1) で導出した3区分の最適資源配分と、2) の棚卸し状況を踏まえて、以下を提言
- ①~③のどこの資源配分を増やすべきか
- 減らすべき区分のテーマのうち、どのテーマを継続し、どのテーマの投入資源を絞るか
- 資源配分を増やすべき区分の新規テーマの方向性
プロジェクトのその後
- クライアントはDI提言を踏まえ、3区分での資源配分管理を開始
- 資源配分を増やすべき区分の新規テーマを募集するなど、資源配分のシフトを推進