第2話「徹底的にリサーチせよ」
- 公開日:2022年06月10日
シナリオ:星井博文
作画:鴨修平
編集:株式会社 トレンド・プロ
コラム
人物を見極めて外部の人と議論する
第1話のコラムで大きな事業を創るには、社会課題の解決策を“妄想”することが大事だと書きました。しかし、この社会課題の解決策を妄想することは、一人で取り組んでもなかなか糸口を見つけることすら難しく、様々な視座や視点を持った立場・役職の人たちと議論する方が効率的です。一つの視座や視点から見ているとどうしても思考が深まらず、重要なポイントが抜けてしまったり、あるいは別の角度からの解決策を考えられなかったりするからです。まず最初は社内の人など、身近な人たちとの議論から始めるべきですが、身近な人たちの視座や視点は似通っているのが一般的です。DIでは、全く違う視点を得るために外部の人々の見方や意見を積極的に聞いていきます。このとき、既存の枠組みにとらわれず、高い視座を持った人と議論することが重要です。社会課題を企業単位・業界単位・国単位を超えて捉えており、かつ深い知見を持った方と議論していくと、妄想は飛躍的に広がります。逆に、そうでない人との議論ばかりしていると、足元の課題や業界の枠組み、どうせ無理だろう、といった現状延長の思考に囚われ、悲観的なストーリーしか生まれない、ということになってしまいかねません。共に議論してくれる高い視座を持った人は非常に稀有な存在ですが、それは企業の方とは限らず、研究者の方や官僚の方でもありえます。そのような人に出会えたら、その人からして、この議論は楽しいなと思ってもらえるような“議論材料のお土産”を持っていきながら定期的に議論を重ねていくことで、更に妄想がブラッシュアップされます。
ビジネスプロデューサーに求められるスキル
一般的な認知も広がりつつある、“ビジネスプロデューサー”という仕事ですが、その分、様々な解釈が生まれています。DIでは、“ビジネスプロデューサー”とは、“事業を企画し、他社/他者を巻き込み、さらに実現までの責任を負った存在であり、場面に応じて様々な仕事を担う役割”だと考えています。そういう意味では、DIのコンサルタントとはビジネスプロデューサーであるべきであり、ゆえに、DIではメンバーのことをビジネスプロデューサーと呼んでいます。今回は少し視点を変えて、DIでビジネスプロデューサーとして働く上で、どんなスキルが求められるのか(=身につくのか)をお話します。当然ですが、コンサルタントのベーススキルとして、調査分析能力・論理的思考力・資料作成能力・プレゼンテーション能力等々は重要です。これまでご紹介したのは、事業を創る上での最初の考え方の部分ですが、その考えの確からしさを検証し、戦略や計画に落とし込み、クライアントを説得する/心を動かすという一連のプロセスが後に続くからです。一方で、コンサルタントとしてのベーススキルだけではビジネスプロデューサー足りえません。冒頭に述べたような難度の高い様々な仕事を担うには、人脈や交渉力、およびその源泉となるコミュニケーション能力といったソフトスキルも求められます。DIでは、こういった力を、“社内外ドライブ力”と呼んで、評価や育成の際にも重要な要素として見ています。とはいえ、あらゆる能力を完璧に兼ね備えた人はそうそういません。そのため、自分の不足している能力を把握し、チームメンバーや外部の人と協力しながら、サポートしてもらうことも重要なスキルであるとDIでは考えています。