DI新プラクティス「Technology & Amplify」始動
ビジネスプロデュースの新基軸「価値増幅」とは

事業創造にフォーカスした戦略コンサルティングファームのドリームインキュベータ(以下DI)が、2023年3月に新プラクティス「Technology & Amplify」を立ち上げた。独創的なビジネスプロデュース力に強みを持つDIが新たにプラクティスを立ち上げる狙い、名称に込められた思い、そして顧客に提供する価値とは。立ち上げメンバー3名へのインタビューから、DIが新プラクティス設立で目指す「価値の増幅」の意義をひもといていく。

「イノベーションからインパクトへ」大いなる挑戦

「さまざまな企業の新たなチャレンジを応援したいし、自分たちも挑戦し続けたい。一貫して前向きなことを扱ってきた会社と自負しています」

自社の風土についてそう話すドリームインキュベータ統括執行役員の島崎崇氏。新プラクティス「Technology & Amplify」の責任者として感じているのは、「イノベーション」だけが重視されている現代の風潮への危機感だったと話す。

「イノベーションは大切ですが、それだけでは事業は成り立ちません。テクノロジーを用いた社会的なインパクトを出さないといけないという気持ちが、新たなプラクティスを立ち上げるきっかけになりました」(島崎氏)

ドリームインキュベータ
統括執行役員
島崎 崇

イノベーションからインパクトへ。困難な道を切り開こうとするチャレンジ精神は、必ず結果を出すという覚悟でもあるようだ。「Technology & Amplify」というユニークな新プラクティスの名称にも、そうした思いは込められていると、立ち上げメンバーの1人である執行役員の加藤節雄氏は明かす。

「Amplify(アンプリファイ)は増幅という意味です。成長やグロースという言葉には、右肩上がりのグラフがイメージされますが、増幅は『幅』という字を使っていることもあり、縦や横、奥への広がりが見えます。ビジネスプロデュースとの親和性も非常に高いと感じています」

「DIでしか実現できないことをやる」強い矜持

興味深いのが、従来型のDXのアプローチとは異なり、変革を促すのではなく顧客とともに新たな価値を創造して増幅させることを「Technology & Amplify」のミッションとしている点だ。「ゼロからの構想」にこだわり、ビジネスプロデュースをしてきたドリームインキュベータのDNAをベースにしながらも、0→1にとどまらず10、100に広げていこうというわけだ。

島崎氏、加藤氏とともに立ち上げメンバーとなったマネージングディレクターの梅津宏紀氏は、具体的な取り組み方について次のように話す。

「当社が強みを持つ新規事業の戦略立案力を生かし、顧客とともに汗をかきながら事業価値を創造し、増幅していくことにこだわります。さまざまなネットワークを駆使し、多彩なパートナー企業を集めてプロデュース型で組み合わせていくのも特徴の1つ。伴走というよりも、顧客と一体となって取り組むスタイルです」

ドリームインキュベータ
マネージングディレクター
梅津 宏紀

システムインテグレーション(SI)やITアウトソーシングなどの領域は、むしろ、そうした領域を得意とする他社にお任せするのがよいと梅津氏は話す。

根底にあるのは「他社でできることをやるなら、ドリームインキュベータでやる意味はない」(島崎氏)という矜持。価値創造・増幅のプロセスに自信があるからこそ、課題解決のために何が必要かを徹底的に追求し、リスクを恐れず踏み込む「攻めのスタイル」を実現させているともいえるだろう。

縦割り組織がないから「枠を超えた」挑戦が可能

ドリームインキュベータが徹底した「攻め」の姿勢を貫ける理由として、通常のコンサルティングファームでよく見られる、産業別やサービス別のマトリクス型組織がないことが挙げられる。

「社内でのコラボレーションが生まれやすいのも、縦×横で割った組織がなく、社員同士が柔軟にコミュニケーションを取れるから」と島崎氏は語る。「歩いているときでもすぐにディスカッションが始まる」(梅津氏)環境は、新たなビジネスを生み出すのに必要な枠にとらわれない発想の源となっているのではないか。

加藤氏と梅津氏は、「Technology & Amplify」の立ち上げ準備の段階で他のファームから転職してきたメンバーだが、「想像よりもはるかにやりやすい」と口をそろえる。

「何を検討するにしても、フラットに根本的な課題から取り組めるのは非常にいいですね。培ってきたさまざまな業界のナレッジも、これまで以上に生かせると感じています」

そう語る加藤氏は、コンサルタントとして30年以上のキャリアを誇る。そんな百戦錬磨のコンサルタントが入社を決めたのは、「もう一度新たな挑戦をしたい」という思いからだった。

「当社のバリューである『枠を超える。』に強くひかれたのが、入社を決めた理由の1つです。変革の成功は既存の枠を超えたところにあります。当然ながらそこに携わる人も、現状の自分を超えていくことが求められる。当社であればつねに挑戦し続けられる環境があると感じられたことが決め手でしたね」(加藤氏)

ドリームインキュベータ
執行役員
加藤 節雄

またコンサルタントとして20年以上のキャリアを積んできた梅津氏も、フレームワークや方法論にとどまらないチャレンジを志向して入社を決意したと明かす。

「決まった答えのない中でサービスを提供していくビジネスプロデュースを主軸としているのは、非常に面白いと感じました。私自身はテクノロジーコンサルティングのキャリアを積んできましたので、自身の強みをベースとした『Technology & Amplify』ならば、経験を生かしながら新たなキャリアが切り開けると確信しています」(梅津氏)

枠を超え、つねに新たなチャレンジを続ける「Technology & Amplify」。全社で構造改革を進めるドリームインキュベータの中で、存在感をどんどん増幅させていきたいと島崎氏は意気込む。

「今後、世の中はどんどんメタ化していくと思います。コンサルタントは物事をついタグ付けしがちですが、今後は登ろうと思った目の前の山がなくなってしまう可能性だってあります。タグ付けできないメタな価値をいかにプロデュースし、インストレーションするかが問われる中では、本質的な経営の視点が重要となってくるでしょう。『Technology & Amplify』は、そうした状況においても価値創出・増幅を続けていくプラクティスとして位置づけています。当社が切り開く新しいビジネスプロデュースの形に、ぜひご期待ください」

 


東洋経済オンライン記事広告より転載(2023.03.30)