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INTERVIEW

ビジネスプロデューサーが日本と世界の未来を変える

スマートニュース株式会社 取締役CSO 任 宜さん

東京大学工学部化学生命工学科、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻修了(工学修士)後、2009年~2011年末までDIに在籍。
DIでは、大企業向けに新規事業戦略立案、新製品の市場性評価および販売戦略立案等に従事。また、官公庁のグローバル調査、中国進出における市場調査、新規事業支援なども担当し、2010年にはDI中国オフィスへ創業経理として赴任。2012年よりDeNAに勤務し、2014年2月DeNA中国CEOに就任。2019年5月にスマートニュース取締役CSOに就任。

今、日本では格差が広がっていると騒がれています。でも実は国レベルで見ていくと、18世紀に起きた産業革命以降広がり続けた国と国の1人あたり生産力は、情報革命による情報格差の縮小とともに縮み始めています。つまり、世界のバランスは18世紀のそれにもどりつつあるのです。ではGDPから見て、どこが新たな、いや昔の世界の中心だったのでしょうか。それは産業革命がイギリスで起こるまでの間、数千年間ずっと中国でした。現在、私はそんな中国において、日本のコンテンツの強みを梃に、「中国で初めて成功した海外のIT企業」を目指して邁進しております。

マクロに世界を鳥瞰した時、日本という市場は今非常に危機的状況にあります。一方で今伸び盛りのアジア市場から日本を眺めた時、日本はいろんな強みを確実に持っています。では、なぜ日本は伸び盛りのアジア市場を取り込めないのか。

様々な理由がありますが、根源をたどれば一重に「ビジネスプロデューサー」の用件を満たすグローバル人材が足りないからだと私は考えます。そのことを実際にDeNA Chinaをほぼゼロから現在の300人を越える規模まで立ち上げる過程で身に沁みて感じました。

私は2009年4月に新卒としてDIに入社しました。当時のDIは戦略コンサルティングとベンチャー育成というビジネスモデルから、 産業プロデュース、自らのグループ事業経営、M&Aアドバイザリー、そしてアジアへの拡大という現在のコアとなるコンセプトに生まれ変わろうとしているタイミングでした。その中で、私は大企業コンサルティングプロジェクトからスタートし、官民両方を巻き込んだ産業プロデュースプロジェクト、そしてその事業を推進するためのDI中国の立ち上げを経験することができました。

今思えば、「世界レベル×産業レベルの視座を持って戦略を考えること」を産業プロデュースから、「事業をゼロから立ち上げるという経験」をDI中国の立ち上げから、「一つ一つの重要なissueの解決方法」を大企業コンサルティングから学ぶことができ、他の会社では得られない幅広い経験をさせてもらえました。それが私がDeNA Chinaを今日まで育てられた大きな一因であり、今の私の仕事を根底から支えていることは間違いございません。

この変化の激しい時代、単純に定点観測的に戦略を考えてもワークしません。自ら動いてPDCAをまわしつつ、ダイナミックに戦略を変えながら事業をドライブできる人材が求められています。その点、DIの掲げる 「ビジネスプロデューサー」というコンセプトは、非常に現在の世の中のニーズをとらえており、この変化が激しい世の中でことをなす為に必須のコンセプトだと思います。「視座の高さ」×「戦略を考える思考力」×「自らPDCAをまわして事業を作って行くドライブ力」をバランスよく持った人材が今、世界中で、とりわけ日本で必要とされています。ぜひ多くの将来有望な若者に、「ビジネスプロデューサー」になってもらい、将来の日本、そして世界を支えていただきたい。僭越ながら、その先駆けとして、私自らが道を切り開ければと思っております。