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多様性が認められる寛容な社会の実現に向けた鎌倉市との新しい世論調査手法に関する実証実験第2弾が完了

株式会社ドリームインキュベータ(東京都千代田区、代表取締役社長 三宅 孝之、以下DI)は、多様性が認められる寛容な社会の実現に向け、神奈川県鎌倉市(市⾧ 松尾 崇)と協力し行った実証実験が完了し、最終報告となる確報の公表をお知らせいたします。

実証実験の概要

DIでは、多様性が認められる寛容な社会の実現に向け、“多くの人の意見を可視化”する手法の研究に取り組んでまいりました。一昨年春に行った鎌倉市での実証実験に続き、今回は実証実験第2弾として、地域の暮らしやすさと生活の満足度をテーマに、住民を対象にした意識調査を本年2月から3月にかけて共同実施しました。

調査にあたっては、計量経済学を専門とする国際大学の山口真一准教授の助言・協力の下、住民をA/Bの2グループ(各2,000人)に分け、施策の効果や、表れる回答結果の違いを検証し、本年4月末には本実証実験の速報にて、回答率向上施策を行ったAグループにおいて、行わなかったBグループに比べ回答率が約1.7倍となったことを鎌倉市のホームページを通じて公表いたしました。
(参考:2023年4月28日 「鎌倉市の暮らしやすさと満足度に関する基礎調査」結果速報」

実証実験の結果(確報)

分析の結果、回答率向上施策を行ったAグループ(回答率56.0%)と、行わなかったBグループ(回答率32.3%)とで、分析対象とした計187問の67%で回答結果及び回答傾向が異なることが分かりました。

また、回答率の高いAグループの結果と、回答率の低いBグループの結果のそれぞれを情報源として、政策を検討した場合、検討内容に変化が生じることが分かりました。

本実証実験の総評

今回の結果から、①調査テーマを変えた場合においても回答率が上がり、本研究において取り入れた調査手法の有効性がより明らかになったこと、②その上で異なる意見が表出し、政策の検討内容に変化を与えうること、③そのため、政策を検討する上で、参考・根拠となる世論調査においては、回答率を上げることが実態世論(=多様な意見)を反映する上で重要であることが、前回実証実験の結果と合わせて一層根拠づけることができました。

また、本研究で連携している国際大学の山口真一准教授からは以下の総評を頂いております。

「本件のように回答率を高める施策は、より広く住民の意見を収集し、エビデンスベースで政策を決める上で有効です。実際、一部の調査において、回答率の高い場合と低い場合で、大きく分布が異なっていました。

また、このような調査は継続して行うことで、実施した政策へのフィードバックも得ることができます。例えば今回は、生活の満足度と地域の特性・状況への評価との関係を分析することで、市としての強みと弱みが明らかになりました。調査を踏まえて政策を検討すると同時に、検討の結果実施する政策を住民がどう評価し、生活満足度がどう変化するかを、継続的に追うことで、データに基づいた政策の改善を行うことが出来ます。」

今後の取組み

今後も引き続き国際大学の山口真一准教授と連携し、本手法の有効性を学術的にも検証して参ります。また、弊社が目指す、多様性が認められる寛容な社会の実現に向け、本手法の社会実装を進めて参ります。

なお、確報については、8月24日を目途に鎌倉市HPに掲載いたします。

鎌倉市について

神奈川県の沿岸部に位置し、海、山などの豊かな自然環境や多くの神社仏閣などの歴史的遺産に恵まれた、人口約17万人が暮らすまち。誰もが生涯にわたって、自分らしく安心して暮らせる “共生社会” の実現を目指している。

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