DIプライベートキャピタル・グループ インタビュー【後篇】

前篇はこちらよりお読みください 

次世代のユニコーン企業を目指すベンチャー起業家に向けた、資金調達やM&Aのアドバイザリー事業を行う、DIのプライベートキャピタル・グループ。急速に高まるニーズに応えるべく、昨年末にメンバーを増強し、「ファイナンス・プロデュース」を標榜する組織として新たに始動*した。当該グループの中心メンバーである、エグゼクティブディレクターの松井克成と、ディレクターのジェソン義人にインタビューを敢行。組織が目指すビジョンから「ファイナンス・プロデュース」の中身まで、余すことなくお届けする。

*関連プレスリリース:NEXTユニコーン起業家向け「ファイナンス・プロデュース」事業を始動

徹底的にクライアント視点に立脚した多彩な支援実績

ーーPCGのクライアントは、どのような企業が対象になりますか?

松井:

前篇でも申し上げましたが、シリーズB以降で大型のIPOに向けた資金調達を必要とされているベンチャー企業や、更なる事業成長を目指してM&Aを通して大企業や大型ベンチャー企業のグループ入りを検討されるベンチャー企業、または、大企業からカーブアウトしたいと考えている新規事業責任者の方(いわゆるイントレプレナー・社内起業家)などが主な対象となります。

 

ジェソン:

PCGはご相談頂く内容に特徴があるように感じています。

例えば、大企業からのカーブアウトに関する財務アドバイザリーの場合、一般的には企業の上層部や財務系部門から「財務の立て直し」という文脈でご相談を頂くパターンが多いのではないでしょうか。

しかし私たちPCGの場合、大企業内の新規事業責任者など、事業に携わる当事者から直接ご連絡を頂くケースが多いのです。さらにご相談いただく内容もポジティブなものが多く、例えば「このまま大企業の中で成長し続けた方が良いのか?」「カーブアウトして外部リソースを活用したほうが良いのか?」といったように、事業創造を前提にしたご相談が多い印象ですね。

 

ーー直近だとどのような実績がありますか?

ジェソン:

昨年プレスリリースを出させて頂いた案件ですが、AI系ベンチャー企業のスリーアイズ様に対して、シリーズB以降の資本政策の立案や、足元の資金ニーズについての資金調達などのアドバイザリー支援をさせて頂きました。

同社は素晴らしい事業を展開されていらっしゃるので、VCや大企業など、それぞれの特徴に合わせてさらに価値が伝わるようなプレゼン方法や、市場でのポジショニングの説明方法などもご提案させて頂きました。現在も順調に進行しておりまして、IPO等のファイナンス戦略を議論しながら、資金調達だけでなく顧客・事業パートナー候補のご紹介などグロース支援もご一緒させて頂いております。

 

松井:

私は、体験型ツアーのECプラットフォームとしてアジア最大手の一社であるKKday様に対し、シリーズB以降での資本政策の立案、旅行会社のH.I.S.様との資本提携、LINE Ventures様やアリババ起業家ファンド様からの資金調達ラウンド、日本の政府系ファンドである海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)様からの資金調達ラウンド等に係るアドバイザリーを行って参りました。

同社は台湾発でアジア全域にビジネスを広げてゆくなかで、旅行客の目的地としてアジアで最も人気がある国の一つとして日本が事業戦略上重要であり、日本へのインバウンド送客を強化したいというニーズを抱えていましたので、私たちの方で事業戦略・資本戦略の観点から合致する有力な投資家や事業パートナーを絞り込み、交渉するご支援をしました。詳細はプレスリリースをご覧頂けると、より分かりやすいと思います。

 

ファイナンス・プロデュースを通じて、起業家の事業創造を支援

ーーPCGは、DIの中でどんな位置づけですか?

松井:

まずDIという会社は「ビジネスプロデューシングカンパニー」を標榜しているのですが、言い換えれば「事業創造をプロデュースする集団」だと捉えています。

PCGも戦略コンサルティングも投資も、それぞれが向き合うクライアントへのアプローチやマネタイズの手法は異なるものの、「事業創造」という目的地は同じだと言えます。ご質問にそのままお答えするならば、DIの他部門とは横並びの位置づけになるのかなと思います。

 

ジェソン:

DIのベンチャー投資事業を運営するDIMENSIONとの違いを聞かれることが多いのですが、PCGはあくまでクライアントである起業家向けのアドバイザーであり、投資の主体者にはならない点が大きく異なります。

起業家の立場から客観的に見ると、広義のベンチャー投資家であるVCや大企業のCVC等は日本だけでも300社以上存在しており、DIMENSIONはその中の1社です。手前味噌ながら、DIのベンチャー投資事業はその中でも大きな実績を作っておりますが、当然ながら起業家のニーズと投資方針などが常にマッチするとは限らないものです。

この点、PCGはあくまでクライアントに対して、最適な投資家選定および交渉のアドバイスをさせて頂く形で対峙致します。例えば、10人の魅力的な起業家が合計500億円の資金調達を計画したとして、それらをDIが全て投資でリードするとなると現実的ではありませんが、PCGの立場ならこうした10人の起業家それぞれにアドバイザリーの形で支援をすることが可能です。

 

ーーDIには戦略コンサルティングやインキュベーションなど複数の部門がありますが、他部門との連携はありえますか?

松井:

充分にあり得ます。繰り返しになりますが、DIは「事業創造」を求めているお客様がターゲットで、事業創造のためにベストな選択肢を提供します。

例えば、PCGとしてお客様と議論していく中で、もしDIの戦略コンサルティングやベンチャー投資への連携をクライアントが望まれる場合、そちらのビジネスプロデューサーをすぐにご紹介させて頂いています。

PCGとしては、クライアントとともに資本政策や投資家を比較検討したり、投資家と交渉してゆくなかで、様々なベンチャー・キャピタルや大企業、バイアウト・ファンド等のそれぞれの特徴や交渉状況について、常に客観的な視点での意見を求められます。アドバイザリー業である以上、あくまでクライアント本位でフラットなスタンスを貫いています。

 

ーーPCGの今後の展望について教えてください

松井:

短期的には足元のファイナンス面のサポートを主軸に進めていきます。中長期的には色々な専門性を持ったプレーヤーと組みながら「起業家プロデュース集団」になっていきたいですね。

例えば、D2C関連スタートアップなどは、創業初期段階からデザインやクリエイティブのスペシャリストを社内に抱えていたりします。私たちも起業家プロデュース集団として、VCや大企業、バイアウト・ファンド等だけでなく、デザイン・会計・法務・労務などの幅広い専門家ともコラボレーションしていきたいと考えています。

 

ジェソン:

一方でマーケットの変化は速く、3~5年後にはトレンドやニーズが大きく変わっているかもしれません。日本のVCや大企業は既にこうしたトレンドやニーズの変化には敏感で、AIやSaaSに特化したVCファンドなどが既に出てきました。

ただ、バイアウト・ファンドは、まだこうした動きが少ないです。大企業の古くて安定した事業のカーブアウトや事業承継案件ばかりにフォーカスしており、ベンチャー界隈との接点やそのトレンドとの接点は現状は日本では希薄です。

他方、例えば米国にはデジタル分野に特化したバイアウト・ファンドなどがあり、起業家やベンチャー・キャピタルの安定的なEXIT先として、大企業以外の選択肢として存在感を発揮しております。

しかし、まだ日本であまりそういった動きはあまり耳にしないですね。起業家やVCの層が以前より格段に厚みを増したこれまでの状況からすると、今後、領域をデジタルやテクノロジーに絞ったバイアウト・ファンドも出てくるでしょう。いずれにせよどのような変化にも対応できるよう、常に柔軟性は持ち続けたいです。

 

ーー最後に、お二人のビジネスに対する想いを聞かせてください

ジェソン:

正直に言ってしまえば、PCGが提供するソリューションは、時間さえ無制限にあればクライアント様がご自身で解決出来る領域かもしれません。

しかし現実に起業家の皆様の時間は限られており、さらに起業家自身でしか成し得ないミッションは別にあると考えております。起業家の皆様がやるべきこと、特に事業創造におけるリーダーシップと意思決定に大切な時間とリソースを集中できるよう、私たちが全力でサポートさせて頂きます。

 

松井:

日本経済を「事業創造」を通じて元気にしたいという想いがベースにあります。様々なベンチャー企業および起業家の「有事」を解決し、スピード感を持って日本経済の「事業創造」に貢献したいと考え、PCGを立ち上げました。

日本には、大企業同士のM&Aや中小企業の事業承継M&Aへのアドバイザリーや仲介において寡占的なプレーヤーは既に存在するものの、まだベンチャー・起業家専門のファイナンス・プロデュースを組織的に行う専門企業はまだ希少です。

こうした状況で起業家からのニーズは増えており、さらに増加することが予測されます。PCGは今後さらに必要とされる組織だと考えております。ファイナンス・プロデュースを軸に、真に起業家を支援する組織を目指します!

 

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