社長メッセージ

 事業の創出・育成を使命に創業してから19年間、ビジネス環境が大きく変化する中で直面する様々なチャレンジを乗り越えてまいりました。その間、株主の皆様からも多大なるご支援を頂戴してきたことに、心より御礼申し上げます。

 DIの企業価値を大きく三階建てで向上していく方針で、2年前から取り組んでおります。企業価値における位置付けを、一階の事業投資がベース、二階の戦略コンサルティングがコア、三階のベンチャー投資をアップサイドと考えております。各階の事業特性は、ビジネスモデルだけではなく、利益化の手段も期間も大きく異なります。DIの業績、すなわち企業価値の上昇は、各事業が毎期生み出す価値の上昇の総和であるはずなのですが、従来の会計基準による連結利益等では、どうしても適切に表すことができていないという点も、我々が乗り越えなければいけないチャレンジでした。

 この点について、海外から応援してくださっている複数の機関投資家株主からの助言もあり、「Net Asset Value(NAV)」という指標が、DIの企業価値及びその増減を適切に表すことができると判断し、今後は通常のBS・PLに加えてNAVを経営指標として、業績報告で用いることにしました。NAVは、複数の事業・資産を有する会社を評価する際にアナリストが用いる評価尺度の一つで、一部の欧米企業では経営指標としても採り入れられつつあるものです。現時点では我々の評価手法はまだ改善の余地があり、今後より精緻化が必要な状況ではありますが、このような開示を拡充することで、よりDIという会社の中身を知っていただく機会を増やしたいと考えております。
DIはこのNAV向上が株主価値の向上に直結すると考え、今後もその最大化に向けて、取り組みを継続してまいります。

 2019年3月期のグループ全体のPL業績は、保険項目調整後において、売上高207億円、純利益3.5億円と、増収減益となりました。
 次にNAVですが、こちらは対前期比で58億円増の301億円となりました。以下、NAVの増減をベースに各事業の状況をご説明いたします。

 まず、一階の事業投資はNAVが前期末の37億円から98億円増の135億円となりました。主な要因はアイペットのマザーズ上場に伴う価値の顕在化ですが、その他、フリーコンサルタントと企業をマッチングするプラットフォームを運営するワークスタイルラボ(WSL)の100%子会社化による増加もありました。

 各社の状況としては、アイペットは上場後も保険契約数を伸ばしており、引き続き順調と言えます。ボードウォーク(電子チケット)については、2018年12月期に過去最高益を記録。業績の伸びは特需による影響も大きかったですが、それを除いても著名アーティストとの契約を新規に獲得する等、順調に成長しております。NAVとしてはまだ客観的な第三者評価額が無いため簿価評価のままですが、上場に向けた準備も開始しておりますので、今後のDIグループの柱の一つとして、期待を寄せています。DI Asia(アジア地域における戦略的市場調査)は、前期から売上高61%増と進捗したものの通期黒字には至らず、1.5億円の減損を計上しました。今後はWSLとの協業等の新規取り組みにより2020年3月期以降の通期黒字化を目指していきたい考えです。

 次に戦略コンサルティングですが、こちらは大口顧客の発注方針変更があり、売上高が対前期比で約10億円減少し、NAVとしても26億円の減少となりました。その他の案件は通常通りのペースで推移しておりますので、2020年3月期は、空いた穴を新規開拓でどれだけ埋められるかが鍵となります。このような想定外の事態に対する見通しの甘さを反省し、回復に向け全力で取り組んでまいります。

 ベンチャー投資においては、日本・インドを中心に、合計17社に投資/支援を実行しつつ、既存案件6件の売却(IPO1件、トレードセール5件)を実施した結果、NAVとしては1.8億円の増加となりました。インドでは「DI インドデジタルファンド」を組成し、優良案件の発掘、投資に力を注いでいます。引き続き組織的な投資拡大と投資先のバリューアップに取り組んでまいりますが、リスクを分散しつつ、投資規模を拡大させるためにファンドをより活用していきたいと考えています。

 なお、IRニュース等でお知らせしておりますように、株主優待倶楽部をアイペットと同時に開始しました。両社の優待ポイントを合算して利用が可能です。DIグループ共通とすることで、両社の株主の皆様への還元としてだけでなく、DIの事業や投資育成先を投資家の皆様やお客様にも広くご紹介する、IRマーケティングにもつながると考えております。

 来年はいよいよ創業20周年を迎えますが、「日本経済を元気にする」という創業時の初心を忘れることなく、今後も全力でチャレンジし続けます。引き続き、ご支援を宜しくお願いいたします。

株式会社ドリームインキュベータ
代表取締役社長

山川 隆義

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