BP・卒業生からのメッセージ

中小司 和広

ビジネスプロデューサー

中小司 和広

Kazuhiro Nakashoji

闊歩するブリコルール

文化人類学者のレヴィストロースが野生の思考を上梓してから半世紀が経った。概念を証明するために知の探索を行う科学的思考に対して、内発的な知の探索によりなんとか概念を構築しようとする野生の思考は、まさにDIが目指すビジネスプロデュースそのものではないかと思う。したがって、DIのビジネスプロデューサーは、野生の思考(≒ブリコラージュ)を体現するブリコルールだ。

平成が始まって間もない頃、私はバンコクで産まれた。その後、マレーシアに移った経験が今の私を形成している。2000年、クアラルンプールの国際空港から自宅に向かう道中、高速道路の看板は日系企業の名前で溢れかえっていた。数年後の帰路、その看板はすべて韓国の製造業の看板に変わっていた。現地の日本人学校に通う生徒が減る中、まさに力を失う日本の縮図を彼の地で嫌というほど感じた。そして、大学に進学した年、福島原発の事故が起きた。何も考えることなく現地のボランティアに参加し、その経験から原子力の研究に従事した。今振り返ってみると、ただただ「日本を良くしたい」と言ってドリームインキュベータに入社した選択はとても自然なことに思える。

日々DIで行う仕事そして、私の今までの経験はまさにブリコラージュそのものだと思う。まるで原生林を歩く未開人のように、大地を素足で歩き、胸いっぱいに新しい土地の空気を吸う。時に大雨に降られ、時に道すがらの名も知らない果実を頬張り、当然腹を壊す。誰も通ったことのない道を歩くことはとてもエキサイティングだ。戦略コンサルのプロジェクトで省庁やクライアントのミーティングに参加した翌日、バンコクにて額に汗を流しながらパートナー候補との面談に向かう。そうかと思うと、インドの投資候補先の評価のために、初対面のインド人と熱々のチャイを飲み交わす。ビジネスプロデューサーは、自ら獲得した知や体験を一つ一つ紬合わせることで、誰も見たことのない地図を描いていくのだ。

皆さんが想像する仕事はドリームインキュベータにはあまりないかもしれない。既存のコンサルティングの枠組みを越えた視座で、私たちは世界に触れている。そういう意味では期待を裏切ることになるだろう。ただ、私たちは孤独ではない。未開の森から空を見上げると、柔らかな木漏れ日のように、優しい諸先輩方のサポートがある。

こんな狭い画面など遥かに飛び越えて、今すぐ皆さんと話したい。これから日本をどうしたいのか、我々はどうあるべきなのかを飽きることなく語り尽くしたい。

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