「月刊 碁ワールド」連載中(11月20日更新)

Category: Interview
2015.11.20

【石村 和彦 氏 プロフィール】

1979年、東京大学産業機械工学科修士課程修了後、旭硝子株式会社入社
2006年、執行役員就任
2007年 上席執行役員エレクトロニクス&エネルギー事業本部長就任
2008年 取締役兼社長執行役員COO就任
2010年 取締役兼社長執行役員CEO就任
2015年 取締役会長就任(現在に至る)
兵庫県出身。

“易きになじまず難きにつく”の精神で、先進性と高品質を両立した商品を提供し、世界のトップランナーとしてガラス業界を牽引する旭硝子株式会社。同社会長の石村様にお話を伺った。


 

【囲碁との出会い】

― 4.5段の実力をお持ちとお聞きしましたが、いつから囲碁を始められたのでしょうか?

中学1年からです。部活は柔道部だったのですが、囲碁を打つ友人が周囲に多かったので、自然に始めました。土曜日には学校帰りに梅田の碁会所に行ったこともありました。

家では、父と祖父と打っていました。初段くらいの実力はあると本人は言っていましたが、すぐに勝てるようになりましたね(笑)。大学では、石倉昇九段と同級生だったので、たまに打ってもらったこともありました。当時は二段位はあると思っていたのですが、十三路盤で四子置けといわれました。

ちなみに、現在4.5段というのは、四段で打つと勝ち越し、五段だと負け越すので、その間ということで使っています。

 

―  十三路盤で四子ですか。しびれますね(笑)。社会人になってからも続けられたのでしょうか?

社会人になってからは、三菱グループ全体が集まる囲碁大会に出場したり、たまに碁会所に行ったり、NHKの番組を見たり、といった楽しみ方をしていました。番組もただ見ているだけでなく、自分だったらどのように打つのか、プロはなぜそのように打っているのかを考えると勉強になりますね。

社長になってからは、打つ時間が本当になくなってしまったので、しばらく遠のいてしまっていましたが、番組は継続的に見ていたので、棋力自体はあまり落ちなかったなと思います。先日、先月号にも登場されていました外池様と対局させていただいた際も戦いの連続で楽しく対局することができました。

 

―  お忙しい中でも続けたいと思う囲碁の魅力はどういったところにあるのでしょうか?他のボードゲームも嗜まれていたのでしょうか?

ボードゲームという意味では、将棋も麻雀もやりましたよ。のめりこんでいた時は、寝室の天井の板の節目がイーピンに見えたこともありました(笑)。ただ、一番面白いと思うのは囲碁ですね。

囲碁は、やはり選択肢の幅が広いので試行錯誤ができること、一時悪くても挽回のチャンスもあるという深みが魅力です。

試行錯誤の中で、自分の読みが当たれば快感ですし、相手から想像もしなかった手がでてくれば驚きますよね。特に強い方と打つと、驚かされることが多く、次はどうしたら良いのかといったことを考えさせられます。また、挽回のチャンスというのは、局面が良いとゆるむし、悪いとがんばるという人間の心理も働いていて面白いですよね。どちらも選択肢が広く、一局が長いという囲碁だからこその魅力ですよね。

 

―  では、ビジネスとの親和性はいかがでしょうか?

正直に申し上げれば、囲碁をやっているからといってビジネスが成功するわけでは当然ないので、難しいところですね。本誌の企画の趣旨に反してしまっているかもしれませんが(笑)。

 

―  いえいえ、そういったお話も非常に面白いです。ありがとうございます(笑)。おっしゃる通り、囲碁をやっていれば、ビジネスで成功できるわけではないですから。では、例えば、似ている部分という意味ではいかがでしょうか。

確かに、似ている部分は多いですね。どちらも勝負事ですから。まずは、戦略を立てて実行していくというところですね。

そして、戦略で勝ちきるということはなくて、最終的には局地戦で戦うことになるという点も似ています。もちろん、作戦で勝ち切れれば理想ではありますが、なかなかそうはなりません。ビジネスも同じですが、結局は局地戦のねじり合いになります。

また、常に相手の動きを読んで戦っていくということが求められるということも通底しています。ビジネスでも囲碁でも相手の意図・戦略を外すことが勝利するためには必要です。

 

―  相手の意図を読む時に局面に応じた違いはどのようにお考えでしょうか?

特に、接触していないところに相手が打っているときには注意するようにします。なにかあるな、と。それは、離れて打っているときというのは最終的に描きたい姿があるはずですから、より戦略性が問われてきますよね。

一方、局地戦の場合は、そこの場に勝利することが大切です。相手の動き方も意図も分かりやすいので、対処方法もわかりやすいものです。もちろん、手を読みきるのは大変ですが。

ビジネスでもこれは同じですね。目の前のシェア争いなどは、もちろん大変ではあるけれども、比較的戦い方は明確です。むしろ、離れたところで打っている手がどういう意図かをしっかり理解しないといけないと思っています。

 

―  離れたところにこそ、戦略性が現れるというのは面白いお話ですね。ありがとうございます。では、最後に囲碁をこれから始める人にメッセージをお願いいたします。

囲碁は奥が深くて面白いゲームです。是非試してみてください。

 

―  ありがとうございます。

 

聞き手
株式会社ドリームインキュンベータ
ビジネスプロデューサー 大津留 博文

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