富士フイルム、新ビジネス請負人の上司論

富士フイルムのプロデューサー、戸田雄三氏に聞く(上)


東洋経済オンライン連載 2014.3.12

Category: Interview
2014.03.12

三宅:では、戸田さんにとって、リーダーのあるべき姿とはどんなものですか?

戸田:いろいろな形があるけど、僕は、いい仕事を持ってくることがリーダーのいちばん大事な役割だと思います。ある程度、持続する仕事で、その仕事をすることによってみんなが活性化し、それぞれが成長し、やってよかったと思える。そういう仕事を創ることが、リーダーには重要なことなのです。

三宅:部下に言うことをきいてもらうには、自分が成功し続けることが重要だと思います。戸田さんは最初に化粧品を立ち上げて成功されました。成功した分野に安住しようとする人も多いのですが、次に医療の分野に行こうというとき、怖さは感じませんでしたか?

 


 

オランダでの経験

 

戸田雄三(とだ・ゆうぞう) 富士フイルム取締役・常務執行役員 富士フイルム ホールディングス取締役 1946年東京生まれ。73年千葉大学大学院工学研究科写真工学科修士課程修了、富士写真フイルム(現・富士フイルム)入社。足柄工場第七製造部技術課長、Fuji Photo Film B.V.(オランダ)技術主幹、執行役員ライフサイエンス事業部長などを経て、2008年取締役執行役員、2009年より現職。

戸田雄三(とだ・ゆうぞう)
富士フイルム取締役・常務執行役員
富士フイルム ホールディングス取締役
1946年東京生まれ。73年千葉大学大学院工学研究科写真工学科修士課程修了、富士写真フイルム(現・富士フイルム)入社。足柄工場第七製造部技術課長、Fuji Photo Film B.V.(オランダ)技術主幹、執行役員ライフサイエンス事業部長などを経て、2008年取締役執行役員、2009年より現職。

戸田:僕はどの事業も成功とは思っていなくて、いつも途中にいると思っているのです。化粧品、サプリメント、医薬品、再生医療という流れで進めてきましたが、僕の中ではそれぞれがひとつの進化の過程です。だから最初から再生医療まで考えていました。富士フイルムという場で、ライフサイエンス分野の事業を新天地としてやっていく。そこには短期、中期、長期の設計図が必要だったのです。

戸田:僕はどの事業も成功とは思っていなくて、いつも途中にいると思っているのです。化粧品、サプリメント、医薬品、再生医療という流れで進めてきましたが、僕の中ではそれぞれがひとつの進化の過程です。だから最初から再生医療まで考えていました。富士フイルムという場で、ライフサイエンス分野の事業を新天地としてやっていく。そこには短期、中期、長期の設計図が必要だったのです。

三宅:その設計図はいつ頃から見え始めたのですか?

戸田:ボヤッとですけど、自分の頭の中に設計図が出来上がったのは、オランダの研究所長をやっている頃かな。もしかしたら、その前に種があったかもしれない。僕は入社して20年は日本にいて、カラーフィルムの開発と製造技術のエンジニアをやっていたのです。その延長でオランダに行って、ヨーロッパ向けのカラーフィルムを作っていました。

三宅:つまり、貿易摩擦で写真フィルムを現地生産することになったわけですね。

戸田:それでオランダで開発プロジェクトのリーダーをしているときに、初めて研究所を任されました。そのとき、プロダクトマネジメントだけではなく、リサーチマネジメントみたいなこともしなくてはならなくなったのです。今にして思うと、役職名を付けることが大事ですね。あ、オレ研究所長か、それでは研究所として何かコンセプトを出さないといけないな、と思ったのです。

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